コラム
細部という名の暴力、そして祈り──神はどこに宿るのか

かつて、私は鬱に苦しんだ。 そのとき初めて知った。「こだわり」は、時として人を殺す。 完璧に仕上げたつもりの作品、細部まで整えたはずの空間、何度も見返し、研ぎ澄ました言葉。それらすべてが、自分自身を締め上げる縄のように、 […]

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コラム
線が語る、色が沈黙する──ミロとアルトゥングのあいだで

私がホアン・ミロに惹かれるのは、もうどうしようもない。あの線、あの色、あの配置。見るたびに、心のどこかが“ほどけてしまう”。 言語になる前の感情。記憶に触れる前の光景。ミロの絵を見ていると、人間の原風景が立ち上がってくる […]

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コラム
「情熱と絶対のあわいに──カーンとミース、そして武心脱力™」

ルイス・カーンとミース・ファン・デル・ローエ。このふたりの建築家が、私の中に残したものは、単なるデザインの美学ではない。 それは“生き方”としての構造の問いであり、“在り方”としての沈黙の重量だ。 ■ ミース─ […]

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コラム
裂け目と構造のあいだで──フォンタナとステラを見つめる、身体の位置から

アートを見つめるとき、私たちはしばしば「好き嫌い」や「理解できるか否か」で評価しようとする。だが、ごく稀に、**“否応なく揺さぶられてしまう作品”**に出会う。 それは理屈を超えた不快でも、畏敬でもない。もっと身体的で、 […]

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コラム
Less is more を超えて──武心脱力™が立ち上がる場所

「Less is more(少ないことは、より豊かである)」 この言葉を初めて聞いたとき、胸の奥に静かに火が灯るのを感じた。建築家ミース・ファン・デル・ローエのこの言葉は、わたしの中の「美」の基準を、 […]

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コラム
「最小公約数の身体」──細部を整える前に、私たちが本当に見つけるべきもの。

「細かいところ、全然見てないよね。」そんなふうに、家内は僕のことを笑う。 確かに、言われてみればそうかもしれない。ネジが一本外れていても気づかない。引き出しの端が開いていても、そこに意味を見出せない。僕は昔から、“全体の […]

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コラム
“脱力”が人生を変える——武道・フィットネス・アートを融合した唯一無二の身体メソッド「武心脱力™」とは

● はじめに ― なぜ「頑張っているのに疲れる」のか? 現代人は、知らず知らずのうちに“力み”ながら生きています。立つ、歩く、呼吸する。そのすべてが「無意識の緊張」によって妨げられ、肩こり、腰痛、ストレス、そして心の閉塞 […]

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お知らせ
“たった1人”だからこそ、深く響いたセミナーの記録

4月27日、初の武心脱力™︎セミナーを開催しました。 参加者は1名。一見すると「少ない」と思われるかもしれません。でもその分、マンツーマンでじっくり身体と向き合い、呼吸や重心の感覚を研ぎ澄まし、そして光と動 […]

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動作シリーズ
呼吸で意志を動かし、膝行で体を整える

合気道に学ぶ“動く呼吸” 「呼吸」というと、静かに整えるもの。しかし、合気道の呼吸は少し違います。それは、動きの始まりであり、意志の現れでもあります。 今回ご紹介するのは、合気道の基本動作である「座技正面打ち」と「膝行( […]

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動作シリーズ
「呼吸が整えば、体は変わる。合気道式“動かない呼吸”のススメ」

合気道の世界では、「呼吸」は技の力を生み出す源とされています。しかしそれは、筋肉で頑張る“腹圧”のようなものではなく、重力と調和するような、静かな呼吸です。 今回ご紹介するのは、座ったままできる腹式呼吸。体を整えるために […]

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