温泉という、最強の健康施設

久しぶりに温泉に行った。
本当に、久しぶりだった。

私は温泉が大好きだ。
そして人生で一番元気だった時期はいつかと問われたら、迷わず答えられる。
学生時代、松本の 浅間温泉 に住んでいた頃だ。

理由は単純で、
毎日、温泉に入っていたから。

あの頃は体力も気力も今とは比べものにならなかった。
今思えば、温泉の効能を身体で理解していた時期だったのだと思う。

長野県は温泉に恵まれている。
とくに北部は、派手な観光地でなくとも泉質の良い温泉が多い。
しかも、驚くほど安い。

冷静に考えれば、
これほどコストパフォーマンスの高い健康施設は他にない。

「入らない理由がない」
──本来なら、そうなるはずなのだ。

ところが、らん武をスタートさせてから、温泉に行く暇がなくなった。
いや、正確に言えば「行こうと思えば行ける」。
けれど、やらなければならないことに追われ、
行く気力そのものが湧いてこない。

個人事業主、恐るべし。

そんな生活の中で、昨日は本当に久しぶりに、
かつての行きつけだった温泉へ足を運んだ。

──やはり、温泉は素晴らしい。

私は常々、
「身体の使い方が変われば、心の使い方も変わる」
と伝えている。

身体が休まれば、心も休まる。
これは理屈ではなく、実感だ。

温泉のブースト効果は圧倒的だ。
一度入っただけで、身体の緊張がほどけ、思考が静まる。
リフレッシュ、という言葉では少し足りない。

湯治とは、本来「通うこと」なのだろう。
これからは、できる限り通いたいと思っている。

考えてみれば、
毎日温泉に行ったとしても、
環境によってはそれほどお金はかからない。

そう考えると、
温泉こそが最強の健康施設なのではないかと思うことがある。

ところで、私は日頃は眼鏡をしている。
視力はあまり良くない。
温泉では眼鏡を外すため、正直なところ、
景色や雰囲気よりも泉質一直線の嗜好だ。

そんな私でも、
「泉質と景色、その両方が揃っている」と感じる温泉がある。

七味温泉 である。

秘境と言っていい場所だが、本当に素晴らしい。
遠すぎず、近すぎず。
日常的に通う距離ではない。

正直に言えば、
通うずくは、ない。

だから年に数回行ければいい方だろう。
それでも、
「あそこがある」と思えること自体が、少し心強い。

温泉は、贅沢ではない。
回復であり、再起動であり、
身体から心へと戻っていくための場所だ。

久しぶりの湯に浸かりながら、
そんな当たり前のことを、思い出した一日だった。