捨てる稽古

稽古とは、技を積み重ねることではない。
むしろ、積み重ねたものを一つひとつ手放していくことだ。

知識を捨て、力みを捨て、そして我を捨てる。
重ねるよりも削ぎ落とすことこそが、稽古の本質である。

そうしてこそ動きは作為を離れ、自然と応答する身体に変わっていく。
「捨てられなければ使えない」──矛盾のように聞こえるが、実はこれこそが真実だ。

技は所有物ではない。
握りしめれば硬直し、こぼれ落ちてしまう。
だが完全に手放したとき、はじめて自分の身に溶け込む。

まるで水が器に馴染むように、技は空の手のひらから現れる。
捨てることによってのみ、技は本当に「使える」ものへと変わるのだ。
そこには軽やかさと、同時に深い静けさが広がっている。